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 KAGE

 

:: ポリエステル、塩ビ板、タッチセンサー、プロジェクター、コンピューター等
:: 1800× 2700 × 4500(可変)
:: [ interactive installation ]
:: 1997-98年

 

影というものは光を完全に透過する物質以外のあらゆる物体には必ずできるものである。いわば影は存在するということの証明でもある。昔から、影は実在することの証であった(幽霊には影がない)。けれども、影そのものはTVモニターに映し出されたイメージと同じように、実体がない。そして、それと同時に、影絵にみられるように、映像というものの原点でもある。
”KAGE”ではそのことに着目し、円錐形のオブジェの影をCGによって作り出した。

CGの影はしばらくは、影らしく、じっとしているが、やがてわずかに震え出す。そこで、鑑賞者が円錐の先端に触れることによって、様々な反応が起こる。あるものは影がまるで日時計のように回転し、あるものは影が伸び縮みする。また別な円錐に触れれば、全ての影が動き出したり、あるいは、カラフルに変色したりする。時には、鑑賞者の周辺が突然、明るくなったりもする。
そして、これらの現象が起こっているときは、いつも鑑賞者はプロジェクターによって上から照射されているのである。そのため、鑑賞者自身の影も床面に投影されることになる。CGによって作られた偽物の影と自分自身の本物の影が同時に同じ平面上に投影されたとき、彼は自分の影と自分の存在を再認識するのである。

 

 

 

 

 

 

 


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